ヨーロッパでは結婚せずに子供を持つパターンが多いのはなぜ?その意外な理由とは

ヨーロッパでは結婚せずに子供を持つパターンが多いのはなぜ?その意外な理由とは

近年では、日本でもシングルマザーという言葉が定着しつつありますが、それも最近になってようやくといったところです。

しかし、ヨーロッパをはじめとする海外各国では、結婚をせずに子供を持つなんていうのは、今まで当たり前のように行われてきました。

日本においては、離婚率の高さがシングルマザーの原因となっているといっても過言ではありませんが、海外においてはそもそも結婚すらしないことが多いのです。

なぜ?結婚もしていないのに子供を産もうとするのでしょうか?

今回は、この疑問を解消させる意外な理由をご紹介させていただきます。

驚くべきカトリック教の教え

日本においては信教の自由が認められていますので、なんらかの宗教に属していてもいなくても問題視されることはありません。

しかしながら、海外では宗教の信仰されている国が数多くあり、また、強制されている国もあります。
特にキリスト教信者というのは世界にも数多くおり、その中でも最大宗派であるカトリック教ともなれば何億と信仰者がいます。

この大所帯なカトリック教ですが、以前は離婚というものが教義上一切認められていませんでした。
仮に結婚したとなれば、無理やり結婚した事実を無効にでもしない限り、婚姻関係を解消する手段がなかったのです。

こういった名残が今もまだ残っていて、特に信仰者の多いイタリアでは一度結婚したとなれば、離婚までの道のりはとても辛く険しいものだという認識を持っています。

しかしながら、恋愛に対しては非常に積極的なのがイタリア人です。
街頭のあちこちでも親密そうにしたカップルがよく見かけられます。

また、性交渉に関してもコンドームをつけないという回答が50%を超えています。

ここまでくればもうわかりますかね・・?

「子供は出来ちゃったけど、結婚はしません!」

こういった考えがどうしても生まれてしまうわけですね。

日本と海外のシングルマザーへの考え方

まだまだ日本ではシングルマザーや未婚の母への福祉が充実しているとはいえません。
これには、「子供が出来た」という報告=「結婚する」というイメージが強いからともいえます。

こういった、いわゆる日本人的な考え方があるため、女性が1人で子供を育てていくことを前提とした法整備がなされていないのです。

日本では婚姻関係がないにも関わらず産まれてきた子供を「非嫡出子」として扱う法律があり、相続に格差が出るようにしています。
このことからも、日本では子供というのは結婚をしてから産むのが当然だという、古くからの考え方があったといえます。

しかし、海外ではこういった考え方はありません。
子供が出来たという報告から結婚という言葉を口にすることはタブーとされている国も数多くあります。

子供と結婚はまったくの別問題という認識を持っていますので、事情も知らずに口を出すべきではないと考えられています。

ですから、女性が子供を1人で育てていくこともあるという考えの下、法整備がなされているので、子供への福祉が非常に充実している国が多いのです。

シングルマザーへの破格の待遇

ヨーロッパの離婚事情

特にシングルマザーへの待遇で有名なのが、スウェーデンです。

たとえば、育児休暇制度は450日まであり、休んでいる間には賃金補償がついています。
これが驚きの補償となっていて、360日までは手取り給与の80%までが支給され、残った90日間についても日額で1,000円が支給されます。

さらに、スウェーデンにおいて育児休暇の消化率は100%です。とても日本では考えられない制度ですし、育児休暇の消化に対する遠慮なんてものもありません。

もちろん児童手当制度も充実していて、義務教育が終了した高校入学後も教育手当金として毎月10,000円以上が支給されることになります。

また、看護休暇制度というものもあり、12歳未満の子供が病気になった際には120日まで休暇することが認められています。

そのほかにも、スウェーデンでは子育てに関する手厚い補助が数多くあり、結婚生活に少しでも問題が生じれば、すぐに離婚となってもその後の生活が困らない仕組みができ上がっています。
まさにシングルマザーのためにあるような国家体制です。

どうでしょう?
これなら結婚せずとも子供を持つというのも、うなずけるのではないでしょうか?

結婚ではない!パックスが広がるフランス

法的には結婚もせずに夫婦生活を送ったり、子供を育てたりといったことがフランスでは当たり前のように行われています。

いってしまえば事実婚のようなものなのですが、パートナーとしての優遇措置(主に税金関係)が受けられる連帯市民協約パックスというのが1999年にフランスで制定されました。

もともとは同性愛者のために制定された法律だったのですが、離婚することが困難なフランス民法において、片方の意思のみで簡単に関係を解消することができるパックスが世間から注目されたというわけです。

子供の親権についても、通常の結婚時と同じように扱われるために、フランスでは法律上の結婚をしなくとも、子供を産み育てているカップルがたくさんいるというわけです。

まとめ

世界各国では、一度結婚をしてしまったら最後。離婚をするのが非常に困難な国がたくさんあります。

また、結婚=子供という考え方がないため、仮に離婚をしたとしても子供を育てるのに困らないだけの福祉が充実しています。

これらのことから、結婚せずに子供を持つという考え方が、自然と出てくるわけですね。

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