相手が自己破産した場合の慰謝料請求

相手がたとえ自己破産をしていたとしても、慰謝料の支払いを受けることは可能となっています。

ただし、慰謝料発生の事情次第では、慰謝料自体が免責(支払い義務がなくなる)とされてしまうこともありますし、実際に慰謝料の支払いをしてもらえるかというのは、相手の収入や所有している財産次第となっているため、必ずしも回収が約束されているものではありません。

このようなことから、相手が自己破産をした場合の慰謝料請求は非常に難しいものとなっています。
これは単なる慰謝料も離婚慰謝料も同じです。

法的に有効な慰謝料請求なのか

慰謝料が発生するにはいくつかの条件があります。
その条件をすべて満たしていなければ法的に有効な慰謝料請求とはいえず、そもそもの請求自体が根拠のないものとなってしまうため、自己破産などとは関係なく相手に支払い義務は発生していないことになります。
まずは、こちらを確認することから始めましょう。

慰謝料発生の条件は、下記のものになっています。

不法行為であること

不法行為というのは、わかりやすいたとえでいうと、不倫などが挙げられます。他の異姓と肉体関係があれば、それは不貞という立派な不法行為です。その他、DV(ドメスティックバイオレンス)なども該当しています。

宥恕していないこと

宥恕というのは、相手を許すことをいいます。慰謝料の請求の原因となった相手の行為を許していないことが条件の1つとなっています。

十分な賠償を受けていないこと

すでに慰謝料以外に多額の賠償を受けている場合は、請求が認められないこともあります。たとえば、不倫相手からすでに十分な賠償を受けているような場合、本人に対する慰謝料請求は認められないこともあります。

時効にかかっていないこと

慰謝料の請求は、相手の不法行為を知ったとき、または離婚が成立したときから3年間で時効とされてしまいますので、時効にかかっていないことも条件となります。

たとえ有効な慰謝料請求でも免責されることも

実は自己破産という手続きには、非免責債権といって、たとえ自己破産をしたとしても支払い義務がなくならない債務というものがあります。

慰謝料というのは、非免責債権に該当していますので、相手に自己破産をされたとしても慰謝料が免責となることはありません。
ただし、こちらが適用されるのは、もともとの慰謝料請求の原因が、悪意で加えられた不法行為だった場合に限ります。

悪意というのは、法律用語で「意思があって」という意味になります。
つまり、相手を害する意思を持っていたか否かが重要となります。相手を害する意思がなかった場合、たとえ法的に有効な慰謝料であっても、自己破産によって支払い義務はなくなってしまうため要注意です。

最高裁の判例ではありませんが、下級審の裁判例の中には「不貞行為は積極的な害意を認められない」とするものがあります。つまり、不貞慰謝料は非免責債権と認められないというものです。不貞慰謝料も自己破産によって免責となる可能性がありますので注意が必要です。

不倫やDV以外の離婚慰謝料が発生するケースや慰謝料相場はこちらにまとめています。

自己破産=無一文ではない

自己破産と聞くと、まったくの無一文になってしまうようなイメージがありますが、実際にはそんなことはありません。自己破産の本来の目的は、多重債務者を救済することです。

よって、日常生活を送る分には困らない程度に財産も残されることになりますし、仕事をすれば当然、その収入はすべて自分の手元に入ることになります。

つまり、自己破産をしたことが慰謝料を支払えない理由にはならないということです。

よく、自己破産をしたからもう慰謝料は支払えない、といった言葉を耳にしますが、慰謝料請求はそれに納得をして諦めてしまうようなものではありません。
本当に支払いができないかどうか、それは本人にしかわからないことですので、事実かどうかを確かめる必要があります。

ただし、相手が支払えないではなく、減額を訴え出てきた場合は、応じてみるのも一つの手です。
事実かどうかを確かめるためには、どうしても時間と手間がかかってしまいますので、減額で支払いを継続する意思があるのであれば、それに応じてみるのも良いでしょう。

強制執行手続きによる回収

どうしても慰謝料の支払いに応じない相手に対しては、強制執行による解決を図るしかありませんが、強制執行をするには、慰謝料に関しての債務名義を持っていなければなりません。

債務名義というものは、債権の存在と範囲を公的に証明する文書のことをいいます。
たとえば、慰謝料について認められた調停調書や判決書、または公正証書といった書面を持っている必要があるということです。

こうした書面を持っていないとなると、これを取得することから始めなければならないため、かなりの労力となってしまう場合もあります。

慰謝料請求は専門家の力を借りよう

慰謝料請求というのは、請求するだけであればそう難しいことではありませんが、回収までを考えるとなると、そう簡単にはいきません。
特に相手に自己破産をされてしまった場合の慰謝料回収は、困難を極めるといっても過言ではありません。

やはり、こうした複雑な問題を含んでいる場合は、法律の専門家の手を借りるのが良いでしょう。専門家であれば、煩雑な裁判手続きを代理してもらうことも可能となっているため、自身にかかる負担がかなり軽減されるといえます。

自己破産者に慰謝料を支払って貰うためには
自己破産しても、非免責債権に該当するので免責になることはありません。当然、慰謝料請求はできますが相手には経済力がありません。
請求に当たっては法律の専門家に相談の上、手続きを進めていくことが確実に慰謝料を受け取れることにつながります。
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