不貞行為を立証させる

離婚の際、問題視される離婚原因の一つが不貞行為です。一般的には浮気として浸透しているようですが、不貞行為の見極めはそう単純でもありません。『浮気=不貞行為』だとすれば、肉体関係の無い浮気は不貞行為となるのでしょうか。または、夫が風俗に行った場合、不貞行為となるのでしょうか。

そう言われると、全ての問いに対して断言することが難しくなってきます。法律上の不貞行為とは、『男女間の性交渉を言い、性交渉を伴わない男女の密会等は「不貞行為」には該当しない。また、「不貞行為」が離婚事由となるためには一回だけではない反復した「不貞行為」が必要とされる』とあります。

不貞行為とは、肉体関係が成立していなければ例え浮気であっても法律上の不貞行為には該当しないということになります。しかし、肉体関係を伴わない浮気であっても離婚原因として認められるものもあります。そのような場合は不貞行為ではなく、裁判所が設けている基準『婚姻関係を継続しがたい重大な事由』に該当すれば慰謝料の請求において有利な立場で離婚を成立させることが可能となるでしょう。

不貞行為の証拠を突き詰める

離婚の際、相手の浮気が原因で離婚する場合、慰謝料の請求を検討する方も多いでしょう。しかし、離婚における慰謝料の請求は『浮気の可能性=慰謝料』『浮気=慰謝料』ではありません。確かな証拠を用意し、『婚姻関係を継続しがたい重大な事由』に該当していなければ慰謝料の請求は難しくなります。

そのためには3つのプロセス(段取り)が重要となります。

  • 浮気の証拠を確保する
  • 相手に浮気の事実を認めさせる
  • 『婚姻関係を継続しがたい重大な事由』に該当している

浮気を前提に離婚を切り出すのであれば以上の要素が不可欠です。また、浮気による慰謝料を請求したいのであればなおさらです。不貞行為、もしくは浮気の証拠を明確にして相手に挑まなければ慰謝料を貰うことができずに泣き寝入りする場合もあります。ケースに応じて必要となる証拠やプロセスを確認していきましょう。

ラブホテルに長い時間で二人きり、これって不貞行為?

20分以上、ラブホテルに二人きりで入室していたのであれば不貞行為です。例え、肉体関係が確認できなくても常識をもとに解釈すればその行為は不自然なことであると判断され、不貞行為が認められます。なぜなら、国内におけるラブホテルへの概念は、肉体関係を築く場所として認識されているからです。

肉体関係は無いが交際の事実がある場合

これは不貞行為には該当しません。ただし、『婚姻関係を継続しがたい重大な事由』に該当するほどの理由があれば結婚生活に支障を出した償いとして慰謝料の請求が認められる場合があります。交際の事実を相手が認めていることが前提となるでしょう。

夫が風俗に行きました。不貞行為ですか?

確かに風俗は性交渉の場ですから、浮気の対象にはなります。しかし、一度だけや1年に1回の利用では不貞行為として認められることはないでしょう。ですが、注意しても風俗通いが改善されない、極端な風俗依存症であるなどは『婚姻関係を継続しがたい重大な事由』に該当するので離婚原因となり離婚相手へ慰謝料を請求することが可能となります。

出会った場所が風俗店であっても風俗嬢とプライベートで金銭や物品と引き換えに性行為に及んだ場合、不貞行為が認められます。もちろん、金銭や物品との引き換えでない性行為についても同じです。場合によっては風俗嬢に対しても慰謝料を請求するケースが考えられます。

キスだけでは不貞行為にならない?

残念ながら不貞行為として認められることはありません。写真やビデオなどの証拠があっても不貞行為は成立しません。しかし、不貞行為の前兆という理由で『婚姻関係を継続しがたい重大な事由』に該当します。

さらにビジネスホテルやラブホテル、またはお互いの住居に長時間の滞在をしていた場合の事実関係が明らかな証拠として確認できる場合には慰謝料請求の対象となります。また、浮気の常習性や悪質性を証明するためには、男女関係の親密さをより深く証明する必要があります。

肉体関係だけに限られることではなく、ホテルやお互いの住居に出入りする様子を観察した証拠は浮気を立証するうえで有力です。法の観点では、『肉体関係を築く可能性が高い場所までの行動や経緯』を重要視します。例えば、居酒屋やファミレスなどでの食事風景、または二人だけでの旅行の様子など関係性の親密度を証明できれば慰謝料を請求するに値する離婚と判断されるでしょう。

不貞行為を立証する

Step.1 携帯電話やパソコンをチェックする

携帯電話、またはパソコンのメール内容をチェックします。内容が疑わしいもの怪しいメールはプリントアウトしておきましょう。メールの内容をカメラで写す場合もOKです。その際は、携帯電話のカメラではなくデジタルカメラを使用するようにしましょう。

Step.2 相手の言動を観察して記録しておく

浮気の疑いや可能性を察知したら、相手の言動を日記にメモしておきましょう。裁判所の事例では、日記は裁判において有力な証拠となる場合が多いからです。忙しければカレンダーに帰って来た時間をメモするだけでも構いませんが、できる限り相手の言動を詳しく日記にメモしましょう。また、その時の自分の気持ちと感情を喜怒哀楽を織り交ぜながら日記に書くことも大切です。

Step.3 メールや日記をもとに浮気の証拠を探します

相手が怪しい行動をとった日の共通性を探りましょう。例えば、やたらと火曜日に夫の携帯が鳴る、などの些細なことでもかまいません。自分で共通性が発見できなくても、日記をつけておくことで有力な判断材料となり裁判官や弁護士が共通性を見つける場合もありますので、できる限り日記はつけてください。

Step.4 調査する

日記やメールをもとに怪しい曜日や浮気相手と会う場所などに見当がつけば、探偵に相談し、曜日や時間帯に狙いをつけて調査を開始します。探偵が作成する調査報告書には、必ず、ビデオ撮影や写真で明確に配偶者と浮気相手が確認できるものを用意してもらいます。そうでなければ不定の証拠とはなりません。さらには、浮気相手の氏名や住所、職業や家庭環境なども調査する必要があります。

Step.5 立証後の方向性

これらの過程を経れば不貞の証拠を立証することが可能となります。しかし、重要なことは相手の不貞行為を立証した後の方向性です。その証拠をもとにどうしたいのか、が重要となってきます。

例えば、

  • 離婚までは考えていないが、これを機会に浮気をやめさせたい
  • 配偶者(夫、または妻)ではなく浮気相手を不貞行為で訴えて慰謝料請求をしたい。
  • 離婚して子供の養育費や慰謝料を請求し、離婚を成立させる
  • 配偶者(夫、または妻)と浮気相手に慰謝料を請求して離婚を成立させたい

いずれにしても、不貞行為を立証したあとが重要となります。離婚でも、慰謝料でも、自分一人で解決するには困難なトラブルと言えるでしょう。それらの問題を解決するためにはシチュエーションに応じた判断能力と情報整理、交渉などが必要となります。最善の結果を生み出すためにも離婚トラブルを専門とする弁護士に相談するなどして正しい選択を行いましょう。せっかく立証した不貞行為の証拠を無駄にすることがないようにしましょう。

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