モラハラは十分な離婚理由になる。 モラハラ夫と離婚するには…

モラハラ夫 離婚

夫婦の離婚理由として、最近増えているのがモラハラです。モラハラは「モラルハラスメント」の略語で、簡単に言うと言葉や態度による暴力のことです。

このモラハラはDVと紙一重で、夫が妻に対して言葉や態度で「不満のはけ口にする」「相手を支配しようとする」などの行為がおこなわれます。家庭内という密室で起きるモラハラは、事態がエスカレートすることがあります。

モラハラは十分に離婚理由になります。その行為が止まないならば、別居・離婚も視野に入れる必要があります。

家庭の中に生息するモラハラ夫の実態と対策について、これから探っていきましょう。

モラハラとは何か?

モラルハラスメントとは、フランスの精神科医によって提唱された言葉で、暴力は振るわずに言葉や態度で嫌がらせをしていじめることです。精神的暴力や精神的虐待を指します。

モラハラは、同じ空間に一緒にいる間は、その攻撃は延々と続くため、身を守ることが難しくなります。被害者は心身に深いダメージを受けて心身ともに追い詰められます。モラハラは、”精神的な殺人”と表現されるゆえんです。
 

モラハラ夫の特徴とは?

夫婦間のモラハラには、妻が加害者というケースもありますが、大多数は夫が加害者です。

モラハラ夫は、いかにも道徳家のようにふるまっては暴言を吐きます。そして、「自分の意見を正当化する」「人を支配しコントロールしようとする」「ストレスのはけ口にしようとする」などの言動がみられます。 
 
【モラハラ夫の特徴】
・物事の責任を妻や周りに押し付ける
・自分の非は認めない
・共感性に乏しい
・口撃しても罪悪感を抱かない
・理不尽に暴言を吐く
・人に厳しく自分に甘い
・考え方や発言がネガティブ
・強い者には弱く、弱い者には強い
・内弁慶(外面はいいが家庭内の態度が悪い)

このように、言葉や態度は極めて悪いくせに、たまに妻の同情心をくすぐったり、急に優しげな態度を取ることもあります。

なぜ夫はモラハラになったのか?

自分の夫は一体なぜモラハラになったのでしょうか?モラハラという攻撃性が強い性格になるのは、子どもの頃の家庭環境に要因があり、幼少期に何らかのトラウマを受けていると言われています。

【夫がモラハラになる例】
・親の過干渉・溺愛
・親からの愛情不足
・親からの虐待
・兄弟・姉妹との差別
・家庭内暴力
・父親が母親にモラハラをしていた。あるいはその逆

このような影響を受けて成長した末に、モラハラ夫は内心の葛藤を解決できずに大人になります。そして「自分を守る」「正当化」するために、身近な存在である妻をターゲットにするわけです。

モラハラ夫の攻撃性は、自己愛が病的に拡大されたもので、症状のない精神病者とも称されます。妻を尊重する考えは持っていません。

成長過程で身に付けた「復讐心」怒り」「恨み」により、妻に全責任を押し付けることで、自身のストレスや苦しみから逃れようとしているのです。

モラハラ夫への対処法は?

モラハラは精神的な病気の一種であり、「カウンセリングを受ける」「専門医に受診する」など、本人自らが改善しようとしなければ、治る見込みは低いと言わています。

一方でモラハラを受け続ける妻は、ストレスのために不眠や頭痛、食欲不振といった機能障害に陥ったり、うつ病やPTSDを引き起こすケースがあります。

モラハラ夫への対処方法としては、まずは「本人に改善を促す」ことになります。反省をしてしっかり聞き入れてくれれば良いのですが、意見されたことに対して不満を持ち”逆ギレ”することがあります。

そうなると、「さらにモラハラがエスカレートする」「DVに発展する」などのリスクをともないます。

改善が見られなければ「一旦夫から離れて生活する」「離婚する」など、具体的な行動が必要になります。大切なのは、問題を一人で抱え込むことなく、親や友人など信頼できる人に相談したり、公的機関の窓口に相談することをおすすめします。

モラハラ夫と離婚するには

「モラハラが改善されない」「もう我慢できない」ということならば、離婚を視野に入れることになります。モラハラ夫に離婚を持ちかける際には注意が必要です。いざ別れを持ちかけようとすると、いろいろな理由をつけて離婚したがらない傾向にあるためです。

モラハラ夫と話し合いで解決しようとすると、こじれて泥沼化することもあり得ます。友人や家族などを交えても、必ずしも事がうまく進むとは限りません。

離婚するためには「離婚理由」が必要です。そのためには「証拠」です。まずは、モラハラを受けたときの記録をメモに残し、さらには暴言をボイスレコーダーに録音するのも有効です。

離婚するためには”法律的な理由”が必要ですが、モラハラ行為は「婚姻生活を継続し難い重大な事由」に該当します。そのような証拠をもとに、離婚問題に強い弁護士に相談するのが近道です。

そして、子どもの親権、面会交流などについても、事前に相談して知識を得ておくことが大切です。

まとめ

 結婚する前は、「まさか相手がモラハラ夫になるとは夢にも思わなかった…」というケースは少なくありません。夫から一方的にモラハラを受け続けるのは、よくありません。

夫の言動がモラハラだと思い当たったら、次は妻が自ら行動を起こすしかありません。離婚も視野に入れて、早めに弁護士などの専門家に相談しながら、より良い解決方法を図っていきましょう。

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